CUSTOMER VOICE
株式会社ウィルグループ 人事本部 人材開発部 部長
下釜 空 様
弊社では360度評価を「評価」ではなく「人材開発」の観点で導入しました。社員の現状を目に見える形で測り、そしてフィードバックとして各社員に気づきを与え、成長につなげていく。このような目的で360度評価を利用しています(したがって、社内では360度フィードバックと呼んでいます)。有効に活用するためには苦労もありますが、それだけの意義があると考えています。
一昨年の11月、弊社のマネージャー以上に必要とされる価値観(バリュー)と能力(スキル)を複数の項目にまとめました。これらの項目を向上させられているかを定期的に測る際に、自己評価や上司からだけではなく、360度の多面的なフィードバックを行いたいと思いました。周囲の人のフィードバックから気づきを得ることで、より主体的な成長につなげたいと考えたからです。
しかし、実行するとなると対象者は百数十名にのぼるため、自社運用だと膨大な工数がかかってしまいます。そこで簡単に運用できるシステムを探したところ、「シンプルかつ安価」という点でマッチしたのが「360(さんろくまる)」でした。実施は年に2回ほどなので、実施時のみの課金はとても助かります。
これまで360度評価を4回実施しました。システムの使い勝手に大きな問題はありませんし、特にサポート体制には満足しています。相談や依頼をすると、迅速かつ丁寧に対応いただいていてありがたいです。
また360度評価の実施によって、フィードバックを自分の成長機会と捉えて改善につなげていく雰囲気が社内に生まれてきていると思います。もちろん個人単位でもそうですが、弊社では独自の取り組みとしてチーム単位での「セッション」というものも行なっています。これはチームのメンバー同士全員で(役職者も部下も含めて)自分が受けたフィードバックを共有し、改善に向けた行動を話し合う時間です。このセッションは強制ではないのですが、自主的に続けてくれているチームもあります。これはセッション、そして360度評価の効果を実感してくれているからこその事実だと考えています。
弊社で360度評価の導入が成功した1番の理由としては、360度評価を「評価」ではなく「人材開発」の観点で導入したからだと考えています。その点は社内に徹底して説明しました。例えば、「自らの成長に結びつけていくことが目的なので、不遇な評価だと捉えて怒ったり無視したりすることは不適切です」といった内容ですね。ただ、どれだけ説明しても「結局のところ評価でしょ?」と考えてしまう人たちは一定数います。そこに対しては「実際に体験して効果を実感してもらう」ことと「トップ層に理解してもらう」ことの2点を意識して浸透を図りました。
まず、「実際に体験して成長を実感してもらう」ですが、これは先ほど述べたセッションに当たります。セッションの進め方や事前準備についてのマニュアルを作成し、当初は人材開発部がファシリテーションを行ったりしながら、360度評価が自分の成長につながることを実感してもらえるようにしています。そこで得られた実感が社内全体に浸透していけば、360度評価が目的の通りに有効活用してもらえる文化になっていくと考えています。
次に「トップ層に理解してもらう」こと。もしトップの認識が間違ったものになってしまえば、そこからすぐに社内全体に広がってしまいます。それを防ぐためにも、導入に至った背景や実施の目的をトップ層にメッセージとして伝え続けました。
以上のような施策を地道にこなしていくのには苦労もありましたが、360度評価にはそれだけの意義があると考えています。もし360度評価がなければ、社員が客観的なフィードバックを得られる機会って意外と少ないですよね。例えば、フィードバックを受ける相手がいつも決まった上司になってしまったり、役職が上がれば上がるほどフィードバックを受ける機会自体がなくなってしまったりなど。私は人材開発・組織開発を担うポジションとして、各社員が周囲の人からの様々なフィードバックを受け止め、今後どう成長していくか考える機会の一つを、360度評価によって提供していきたいと考えています。
また今後、文化として定着した後には、次のフェイズとして、タレントマネジメントなど様々な人事施策とも連動させていくことを視野に入れています。
360度評価の導入や運用の難しさ、ということを耳にされている方も多いと思います。しかし、弊社で実施してみて思うのは、「想定より問題はなかったな」ということです。会社のもともとの文化によるとは思いますが、ここまで述べてきたような良い点がたくさんありました。
「360(さんろくまる)」ならコストを抑えながら必要なタイミングで試してみることができるので、1度検討してみてはいかがでしょうか。