CUSTOMER VOICE
高梁市役所
総務部長 北畑 太一 様
本市では、管理職の育成と人事評価制度を補完するために、360度フィードバックを導入しました。部下からのフィードバックによって、新しい気づきと刺激を得られ、管理職の職員にとって、自身のマネジメントを客観的に認識できる良いきっかけになったと思います。また、360(さんろくまる)は運営側(人事担当者)の負担が少なく実施できるので、大きな自治体はもちろん、本市のような小規模の自治体にも強くおすすめしたいサービスです。
以前、総務省に勤務していた際、初めて360度フィードバックを体験しました。当時は回答者として参加していましたが、対象者である管理職の職員が気づきを得る姿を目の当たりにしました。周囲からのフィードバックがきっかけとなり、対象者の行動に変化が感じられたので、360度フィードバックは良い仕組みだなと印象に残りました。
導入目的の1つ目は、成長に繋がる気づきを管理職に提供することです。前述したように、総務省で管理職が気づきを得る姿を目にしたので、高梁市役所の管理職にも同じ体験をしてもらいたいと考えました。
2つ目は、人事評価制度の補完です。これまでも高梁市役所では、人事評価制度を運用していましたが、私が着任してすぐに、人事評価結果の信頼性を一層高めるため、より厳格な評価方法に取り組もうという話になりました。制度設計を進める中で職員アンケートをとったところ、部下職員層から「上司から一方的に評価されるだけではなく、上司を評価する機会を与えてほしい」という声が多く寄せられました。
管理職は自身のマネジメントが部下からどう思われているのかを客観的に認識することが重要です。そして、同じ客観的な視点で部下に対する評価も行ってほしいと考えています。その点においても、360度フィードバックが適切だと思い、導入を決めました。
とにかく、運営側(人事担当者)の負担が少ない仕組みを探していました。360度フィードバックの導入にあたり、インターネットで調べたり、先行して取り組まれている自治体に直接問合せたりしました。中には評価シートやフィードバックシートをExcelで管理されているケースも見られましたが、本市のマンパワーではそうした手作業での実施は難しいと考えました。そういった経緯で、事務負担の少ないクラウドサービスを探していたところ、360(さんろくまる)を見つけました。
360(さんろくまる)を選んだ理由は、3点あります。1点目は360(さんろくまる)が、360度フィードバックに特化されていることです。ほかのクラウドサービスですと、人事情報の管理や通常の人事評価など様々な機能がパッケージとなっており、そのうちの1つとして360度フィードバックが位置づけられているものが多いです。本市では360度フィードバックの機能のみを検討していたので、360(さんろくまる)は本市のニーズと非常にマッチしました。
そして、2点目に人事担当者への負担が軽いことです。360度フィードバックの実施には、設問項目の設定、回答者への回答依頼、回答結果の回収・集計、対象者へのフィードバックが必要です。360(さんろくまる)はそれらの手続きすべてがWeb上で完結するため、本市人事担当者への負担が軽くて済みました。また、本市専属のサポート担当がつきますので、進行管理や疑問点について、その都度適切なアドバイスをもらえることも負担軽減につながったと感じています。恐らく多くの自治体でも同じ状況かと思いますが、本市の人事担当は担当業務が多く、時間的な余力がないため、この点も大きかったです。
3点目はコスト面の負担が軽いことです。初年度は導入経費(初期費用)と600人分のIDで約80万円程度、翌年度以降は600IDで25万円程度と、価格が安かった点も良かったです。(2022年6月導入時の料金)
実際の評価プロジェクトの実施にあたっては、1週間の事前周知期間をとりました。職員用の掲示板に案内文、結果シートのサンプル、360(さんろくまる)の概要資料、サポート動画の視聴URLを掲示し、職員への事前周知を行った上で評価期間をスタートさせました。
多くの職員にとって、360度フィードバックは全く知らない、新しい取り組みでしたので、まず資料で概要を掴んでもらい、結果シートのサンプルで最終的なゴールをイメージした上で、安心して取り組んでもらいたいというのが狙いでした。特に回答者の匿名性の確保については、「回答の際は匿名性が確実に確保されており、評価対象者に回答者の名前が伝わることはありませんよ」と伝えても、多くの職員が不安に思うところなので、結果シートのサンプルを事前に見せた方が良いと考えました。
評価プロジェクト終了後、職員からの感想・意見を収集するためにアンケートをとりました。概ね8割以上の職員が「普通」~「満足」と回答しました。評価を受けた管理職からは、「部下から自身のマネジメントを評価してもらう機会が今までなかったので、新たな気づきや新たな刺激になった」といった声が聞かれました。また、別途実施した人事評価の期末面談では、360度フィードバックの結果を参考に、「ここはもっと自信を持っていいところ」、「ここは気をつけないといけないところ」など、各職員のマネジメントについて具体的な話し合いができたので、非常によかったなと感じました。
今回は管理職の気づきと成長を目的に実施しましたが、しばらくはこの仕組みを継続する予定です。また、360度フィードバックは組織理念の浸透にも効果的だと伺っています。ゆくゆくは、そのような、高梁市役所という組織における理念や、新しい価値観の浸透といった観点で、360度フィードバックを活用していけたらと考えています。
市の総合計画や社会・経済情勢の変化に応じて新たに求められる新しい価値観を市役所組織に取り込んでいけるような設問項目を設定して360度フィードバックを実施することで、時代にマッチした職員・市役所組織であり続けるためのツールとして、活用していけるのではと考えています。
社会の変化が激しく、市民のニーズもどんどん多様化・複雑化していく中で、高梁市役所が時代の変化についていかなければ市民の期待に応えることができません。そういった時代の流れや多様化するニーズを、しっかりフォローできる組織であり続ける必要がありますね。
高梁市は岡山県中西部の中山間地域に位置する人口約2万8千人の小さな自治体です。市役所の職員数も600名程度と小規模な組織で、財政的にも決して豊かとはいえません。国全体で少子高齢化が進み、職員の人材確保環境が厳しさを増す中で小規模自治体においても、いや、小規模自治体だからこそ、職員の人材育成は喫緊の課題です。そして、360度フィードバックは、管理職が自分自身の成長につながる気づきを得る貴重な機会となります。
360(さんろくまる)は人的なコストと財政的なコストを抑えつつ、管理職に対して効果的なフィードバックを行うことができる非常に優れたツールであると感じています。「360度評価は導入したいけれど、人的にも財政的にも余裕が無い」という自治体に強くおすすめしたいサービスです。