新型コロナウイルスの流行に伴い、リモートワークを実施する企業が増加しています。これまでは職場で顔を合わせることで自然と形成されていた「組織」も、そのあり方について、あらためて問い直す必要が生まれました。
物理的距離が組織にもたらすのは、「コミュニケーションが取りにくい」といった問題に限りません。例えば、人事評価の領域においては、業務における行動や過程を評価に加味することが難しくなり、純粋な成果のみを評価せざるを得なくなると考えられます。そのような評価制度のもとでは、社員は自らの成果のみを追い求め、円滑な組織運営を阻害する可能性もあります。
どのような企業様も、「企業」という形態をとっている以上、より良い「組織」を実現したいとお考えだろうと思います。そこで今回は、リモートワークのような環境下においても、360度サーベイを活用し、「組織としての文化を醸成させる手法」を3つご紹介いたします。
冒頭でもお伝えした通り、リモートワークのような環境においては、組織への帰属意識が希薄になり、自分本位になってしまうなど、組織のメンバーとして適切な行動が取れなくなる社員が出てきてしまう可能性があります。このような「組織としてのエラー」を素早く察知するツールとして360度サーベイを活用していただくことが可能です。
360度サーベイの項目として、「評価項目例」の図のように、組織として必要とされる内容を入力し、社員同士でフィードバックし合う機会を設けます。その結果を人事サイドでご確認いただくことで、値が低くなってしまっている社員を特定し、適切な対処につなげることが可能です。また、社員のみなさんが360度サーベイに携わること自体が、組織に必要とされる項目を意識し、自らの行動を省みる良い機会となるため、「発生したエラーへの対処」のみならず「エラー自体の予防」としての効果もあると言えるでしょう。
360度サーベイは、①や②のような、比較的抽象度が高い内容だけではなく、より具体的な日常業務の能力向上に活用することも可能です。例えば、リモートワークにおいては、「明確な指示・報告」や「時間の管理」、「ITツールを活用する力」といった項目が必要な能力としてあげられます。しかし、急なリモートワークへの移行で、リモートワークの環境下ではこれらの能力を育成する機会が設けられない、そもそもこれらの能力が社員にどれほど定着しているかわからない、といった企業様も多いかと思います。
そのような際に、360度サーベイの項目としてこれらの能力要件を「評価項目例」の図のように設定し、結果をご確認いただくことで、それぞれの能力要件の定着度を定量的に把握することが可能です。十分な水準を満たしていれば、安心してリモートワークを継続できますし、もし不十分な項目があったとしても、その部分に絞った効率的な打ち手を取ることが可能です。
今回のコラムでは、リモートワーク下を想定した手法をご紹介しましたが、組織文化の醸成を目的とした施策を実施することは、平常時を含め、どのような環境下でも有効に働きます。「顔を合わせられない」、「集まれない」という現状は、組織のあり方を問い直し、どんな環境下でも揺るがない組織を実現する手立てを打つ絶好の機会なのかもしれません。
今回紹介した、「②組織のエラーチェック」「③リモートワークに必要な能力の定着度測定」用の、「評価項目サンプル」をご準備しています!
項目の詳細説明や、評価値の設定・チェックポイント等が一覧となっており、すぐにご実施いただくことが可能です
ご希望の方は、お気軽にお問い合わせください。